牧師の独り言 NO31「客など神ではない」

2016年6月1日 | 牧師のひとりごと |

「お客様は神様です」とかつて才能ある芸能人がステージの上で語ったセリフは、時と世代を超えて燦然と輝いている。だが、芸能界では通じても、サービス業には通じないはずである。
神と人間の関係は客と店員に譬えられるほど、簡単なものではない。神は正しいことを教え、優しさを伝え、時に厳しさを与える。それは人間を愛しているゆえのことであり、人間もそれに応えようとする神への愛情がそこにはある。

 

私は学生時代、主にサービス業でアルバイトをしてきたが、社員から徹底して言われたことは「お客様は神様だから」という言葉。だが、それは違うのではないか、というのが私の考え。

 

こちらは食や物品を製作し、提供する。客はそれを相応の対価を支払って購入する。そこには、主従関係は存在せず、互いの利益が一致する対等な関係であるはずなのだ。作ったものが評価されることに感謝し、購入したことによる満足感に感謝する。
それなのに、客は提供する店や店員が少しでもミスをすると、謝罪を求め、時には土下座を要求し、必要以上のサービスを求める。1つのミスも許されない状況の中で、店員は戦々恐々としながら仕事をこなす。客は自らの落ち度をひた隠し、自らの優位を築こうとする。若い頃は、そんな客の態度に辟易し、何度言い争いをしたことか。
このセリフによって、客を神にしたことがサービス業の定義を根底から覆してしまった。人は神になってはならない。そして、神をみだりに(簡単に幾度もの意味)唱えてはならないのである。人間は誰が偉いのでもなく、互いに感謝しつつ、共に歩むべきなのだ。謙遜と感謝、対等である気持ちが大事なのである。(K・H)

投稿者hara | 牧師のひとりごと | 2016年6月1日11:16 PM

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